よそみ余所見

余所見は、見たり聴いたりした事と、それについて考えた事などを書くウェブサイトと紙の雑誌です。

第1号(249版)
2017年10月19日 16時40分33秒 発行

定点観測メモ/梅田哲也 

掲載日:2010-12-11 20:38:08

【定点観測メモ/梅田哲也】梅田哲也 + Contact Gonzo : 第1回(米子匡司)

定点観測メモは、ある期間のあいだ、あるひとつの人やできごとを追って、そこで起こるできごとについて定点観測的に考える企画です。
ここに集まったテキストやその他の記録は、観測期間の終了後に再編集を行い、まとめられる予定です。
定点観測メモ第一回は、2010年7月1日から12月31日にかけて、梅田哲也さんを観察しました。

梅田哲也 + Contact Gonzo : 第1回 米子匡司

7月のはじめ、この定点観測を始めて間もない頃。梅田哲也とContact Gonzoが講師となって京都精華大学でワークショップを行う予定だ、という話を聞いて僕がまず気にかかったのは、彼らがそれをどのように行うのかという事はもちろん、それに参加しようと思うのはどういうなのかな、ということで。

その疑問というのは、梅田哲也とContact Gonzoという人たちに共通して感じるできごとの不定形さみたいな事に発していて。おそらく、そのワークショップで何が行われるのかが事前に明確になる事はないだろうから、大人って、そういう形の無いものに動機を持って参加できるのか(できるなら良いな)みたいな疑問があって。

おそらく、そのワークショップに参加するには、講師たちの事が好きであるのはもちろんの事として、今日帰ってカバン置いたらあそこに集合して遊ぼうぜ──何するかは決めてないけど。あそこ行ってみようぜ、どうなってるのか全然わからんけど、だからこそ。みたいな無根拠なモチベーションが必要な気がして。
僕は、モチベーションと好奇心はかけがえの無いものだと考えているので、そういう、自分のごく周囲にすら自分の知らない事がたくさんあると思えているような感覚。とりあえず遊ぼう。でも何して遊ぶかは決めてない、というような種類の、おそらくは好奇心にだけ後押しされる無計画性。ともかくそれに参加する人は、そういう遊びかたをできる人だろうという気がして、その点にすごく興味を持っていました。

ただし、ふたを開けて告知されたワークショップの名称は、現代美術+身体表現講座「観察をパフォーマンスする/パフォーマンスが崩壊する」というもので、なるほど身体表現講座というような名前がついていて、すこしその点についてははぐらかされたような気持ちになると同時に、まあそうやんな、何かとっかかりはつけないといけないよね。と納得するところもあって。
それでいうと「身体表現」の要素を強く求めて参加された方が一名、初回途中で帰られて、以降来られなかった、という事もあったようです。
(それはそれで、自分の求めるものがはっきりわかっている、これは違うとわかる。というのは素晴らしい事ですね)

で、やはり、参加された方はそれぞれ興味深い方でした。

当日、開講は14時からのところ僕は精華大学の学内で迷ってしまって、10分ほど遅れて講座の行われている部屋につきました。この日の参加者は14人で、女性が多いようです。そこに、イベント協力もされている山崎伸吾さん、Contact Gonzoの4人と、梅田哲也。彼らはカーペットに車座になっていて、講師2組が自己紹介をしています。
全4回のこのワークショップの初日の予定には「自己紹介」とあって、事前に参加者には、いままでの体験のなかで自分を形成したと思う事柄5つと、今後やってみたい事柄5つを考えてくるように連絡があったようでした。その発表がはじまり、それぞれ自分の原体験のような事について、順番に話します。

一番多いのは家族や友人の話で、食事や料理、音楽、柔道、一輪車、恋愛、風景、ライナーノーツ、学校、スポーツなどについて。梅田くんは大阪の話や外国映画、妄想や引っ越しについて。Contact Gonzo塚原くんは、海外体験や料理などについて。
それらは率直な告白だったり、構成された物語だったりして、特に梅田くんはContact Gonzoらの話に「それは格好つけてんじゃないか」と絡んで、たとえば中学校の時にしていたアレは言えなくて、小学校の時にしていた昆虫採集は言っても良いというような、今の時点での上書きがあるんじゃないか、率直じゃないんじゃないか、というような事を言って。確かにそれは誰しもそういう事があるかもしれない。
履歴は選択されていて、特に研ぎ澄ませてどこかに向かおうとしている時はそうかもしれないし、自分自身を選択するような事があればあるほど、その事後から以前の事を思い出すのは困難ですね。僕自身、話す段になってしどろもどろになってしまって。

概ね参加者のみなさんは、自分の事を率直に話されていた印象で、特に自分の女性性についての違和感の話や、ある人が5つの項目から1つの自分のストーリーを取りまとめようと(たぶんそうするべきなのだと思って)しているようだけれど全然取りまとめられなくて、そのストーリーの一つ裏側にその人が覗いているように感じた事が印象に残っています。梅田くんは、この自己紹介から、もうパフォーマンスになっているように見えた。というような事を言いました。

全員が話し終えた後に、その自分の上げた概念を表現して動く、というようなゲームをはじめました。
まず3×3のストラックアウトがあり、9つの番号には全員それぞれ自分の言葉を当てはめていて、当たった番号の言葉の意味を一度分解してアクションする、どうしてもできなければ言葉を読上げるだけでもいいし、やりたくなければしなくても良い。というような遊びで。順番にボールを投げて、当たった番号の自分の言葉をそれぞれ、一斉にアクションします。

ボールが当たって、誰かが歌をうたいはじめる、誰かが柔道のふりをする、誰かが「ライナーノーツ」と言う。誰かは机の下に隠れている。次のボールが当たって、また次のアクションがはじまる、というような、とっちらかっていて面白いものでしたが、これはなかなかうまく言い表せません。

※2010.12.20 訂正
参加者人数を間違えていましたので、訂正しました。














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