尾道にいってきた 蛇谷りえ 尾道に行って来た。案内人は尾道で空き家再生プロジェクトというのをやってる人。一見、聞こえのいい活動だけれど、実際はおもしろい空き家を見つけては改修工事をして、そのあと自分たちでおもしろいことしよー。っていうもので、マイペースで手作りっぽくて、事業っぽくなくて、いい。 森の家は尾道に住むみんなの夏のたまり場で、五右衛門風呂とかある。公民館も改修したり、絶景のすきてな物件もキープしてたり、大家さんと直接やりとりできるプロジェクトなだけに、建築系の強さを感じる。建築系って大体はやっぱりハードに興味あったりするし、そこの知識が強いから、中身を運営するのにはアレらしく、そのあたりをおもしろい人たちで何かできないかな。って悩んではった。 他にも尾道在住のアーティストも居て、私より年上の落ち着いた感じの。一周回って尾道でレジデンスプロジェクトやってる感じがよかった。自分たちがおもしろい、会ってみたい、と思うアーティストを招いて、半年ぐらい時間かけて、尾道に滞在してもらって、展示するというもの。今度はスイスの夫婦+こどもの家族で滞在するらしい。それは絶対おもしろいに違いない。 尾道には若い人たちがお店をちらほらやってたりもして、小さいパン屋さんやおそば屋さん、雑貨屋さんなどもある。どれも店構えが丁寧でよかった。みんな時間をかけて改装するらしい。 あと、尾道を歩くときに「かつお」と呼ばれる中学1年生に出会った。その活動してる人たちのたまり場で卓球場があって、そこに彼は現れて。卓球部一年というのもあってうまい。「かつお」と少しだけ卓球をする。「かつお」は本名ではなくて、仕方がない感じで振る舞ってる大人なこどもで、犬が苦手で、尾道の細い路地に向こうから犬が歩いてくると、ダッシュで脇に逃げる。あと、平気で尾道の路地に空き缶をポイ捨てしたりする。あと、瞬発力に長けていて写真をとろうとシャッターを切ると瞬時に逃げてフレームアウトする。 「かつお」はアディダスのジャージを来ていて、メガネをかけて、顔が落ち着いてる。「ここ、俺の家」って通り過ぎる家に指を指したり、ボケにのっかったりする。 尾道を案内してもらった後、卓球しようぜ。と盛り上がったのに、大人の人の話を切ることができず、随分待たせて帰ってしまった。今度いく時はかつおと卓球しに行こうと思う。かつおにまた会いたいな。