よそみ余所見

余所見は、見たり聴いたりした事と、それについて考えた事などを書くウェブサイトと紙の雑誌です。

第1号(249版)
2017年10月19日 16時40分33秒 発行

連載記事 

掲載日:2011-02-03 02:10:45

【連載記事】よりみち。うたをさがして。(境隼人)

よりみち。うたをさがして。 境隼人

大阪港での仕事が早く終わり、なおかつ行こうと思っていた催しの時間に間に合わない事がわかって持て余した気持ちと時間。ザッピング的にぱらぱらwebを見ていたら、メモしたイベントを思い出し、近所の上、丁度始まる時間のようだったので立ち寄る事にした。


うたをさがして vol.1

安治川floatは1階が全部フロアで2階が受け付けとラウンジ的な使われ方になっていた。寒空の表に放り出された本棚に隠れる猫としばらく遊んで受付に上がる。

到着時点でパフォーマンスは始まっていた様子だったけど、上がってすぐに勧められるがまま水餃子を頂く。水餃子。久しぶりに食べたけど美味しい。下から何かすごい音が聞こえる。


Toshio Kajiwara × 東野祥子(BABY-Q)
ステージ階に降りてみたが、どうやら人がいっぱいで入れない。
中から執拗に周期的な音の呻きが漏れている。
仕方がないので、猫が用を足し、砂を掻いて隠す姿を始終見守った後、また2階に上がる事にする。

ラウンジも人が多く、皆顔見知りかの様な雰囲気に見えた。たばこの煙か、料理の湯気か、窓から差す光で靄がかかっている。特に挨拶をするような相手も見あたらないので、しばらく様子を観察した後、椅子に座って本棚から本を読むことにする。伊藤計劃のハーモニー。買おうと思ってたけどここで借りようかしら。


contact Gonzo × 梅田哲也
屋上に上がることを勧められたのでトイレの奧の階段から屋上へ向かう。今更思うけど不思議な建物。屋上は平らに広く、とてつもなく寒い。逆さを向いたレジャーテーブル(?)、椅子等が点在し、真ん中の物干し竿にぶら下がったハンガーが風で揺れる。どこまでが生活の痕跡なのか、演出なのかは解らないけれど、パフォーマンスのシチュエーションにはなんだか合っているように思う。

全体、どこから始まっていたのかわからなかったが、屋上かとなりの駐車場をのぞき込むとcontact Gonzoはもうパフォーマンスをはじめている。がたいのいい男たちが体をぶつけ、ペットボトルを投げ、至近距離でフラッシュを焚く。お互いを挑発し続けているようにも見える。
おもむろに屋上から投げ込まれるテープレコーダー。梅田哲也はメガホン、段ボール、火の玉(!)色んなものを竿にぶら下げ、駐車場へぶつける勢いで投入する。避けたり利用したり、投入したものに対するリアクションはどこか気が抜ける。
下の誰かにマイクでも仕込んでいたのだろうか、屋上に設置されたスピーカーから物音がなったりしていたが何の音だかはわからなかった。天井視点からモニタリングするこの光景、テレビゲームのプレイを観ている様な気持ち。

見学者らと共に投下されたゴムボートに乗ってgonzoのメンバーが宵闇の安治川に流れていくところでパフォーマンスは終着する(屋上から火を点したサッカーボールをボートに向かって蹴り込もうと試みられたが、これは成功しなかった)
焚き火の熱が屋上の寒さを際立たせる。


クリトリック・リス
場所を再び一階フロア内に移してのパフォーマンス。潔い、電飾輝くパンツ一枚が、むしろステージの温度を上げる。
「アートを見るような目でオレを見るな!」
ハードでチープなダンストラックにカミングアウト・シャウト。股間のテルミンの様な装置をまさぐりながら男の哀愁をはき出す。


そのままDJ 自炊のプレイをしばらくフロアで聴いた後、空腹に耐えかねて一度floatを離れた。
向かった九条の商店街は、遅い時間でも比較的飲食店が営業しているよう。いくつかお店を眺めながら自分の腹具合と相談していると、一角にタバコ屋のような小さい窓口と、小さなヒートストックの中の焼き鳥が目に入った。おばあさんがちょこんと座って仕舞いの支度をしてるようだったけれども、看板は点いていたので声を掛ける。一本70円。半端で勘定するのも面倒だったし、あるだけ全部の串を包んでもらった。いいにおいがする。


floatに戻ると、MC B-BOY × DJ ぷりぷり × VJ 小田島等のパフォーマンスの途中のようだった。ギーク・ボーイ風のMCと、何故か妙に音の小さいトラックによるラップパフォーマンス。勘ぐり過ぎだろうか、芸達者さでひきこもり感がフェイクに見える。


鉄割アルバトロスケット
野球やろうぜ!ヤクやろうぜ!







主催者挨拶を聞いた後、イベントを振り返りながら、
もとのfloatの姿を取り戻す様子を見送り、猫に挨拶をして帰った。


余所見