ルーシー・リー展 永田芳子 なんだかよく話題になっているし、ポスターの器のピンクが可愛かったので実物を見に行ってきた。 会場は普段行く展覧会と違って初老の方が多く、夫婦連れもちらほら。陶芸の勉強をしているのか、何かメモを取っている学生らしき人もいる。 展示品の雰囲気は、何というか、弥生式土器などのスッキリ系遺跡にアフリカンを混ぜたような感じ。 「碗やカップはふちの薄いものを」と他界した祖母がよく言っていた。厚焼きだと口当たりがまずくて好きではないと。 自分用にマグカップなど、ころんとしたのを買って帰ると、こんな野暮ったいの、と眉根を寄せていた。ルーシー・リーの器は薄手のものが多い。彼女が見たら欲しがるかな、と好みを思い出しながら館内を回る。 おかげでウインドーショッピングをしているような気分になった。ものが器なせいか、実際使うことを想定して見てしまう。いちおう洋食器なんだろうに和食が似合いそうなのも一因か。あれは和え物、これは小芋、あの大皿は多分鮎がいい、と勝手に決めつけるのは楽しい。ただ、それが自分で作る普段のおかずでの空想なので、ルーシーごめんね上等なのに、とも思う。ちょっと触ってみたかったがまあ無理だろう。 物販コーナーはポスターやTシャツ、本、記念アクセサリーなど。折角なのだし複製が売られていたらな、と少し考える。本物ではないにしろ、花瓶なり器なり、あのいい感じの陶器がうちに来たら、景色がどう変わるか試してみたかった。