よそみ余所見

余所見は、見たり聴いたりした事と、それについて考えた事などを書くウェブサイトと紙の雑誌です。

第1号(249版)
2017年10月19日 16時40分33秒 発行

連載記事 

掲載日:2011-04-08 00:34:59

【連載記事】空港(永田芳子)

空港 永田芳子

仕事で関西空港へ行ってきた。11年前、友人に誘われて香港へ旅行して以来なので懐かしく思えたりするのだろうかと期待していたが、空港自体の記憶が「なんか広かった」くらいしかなく、しみじみとは程遠い事となった。折角なので多少は情緒的な感じを味わいたかったのに、他に覚えていることといったら、ハワイ絡みだったか大橋巨泉の巨大なポスターが貼られていたな、というくらいで、時事的にはともかくそういう意味では何かしらのだいなし感がある。これに関してはものすごくヒマな時にでも考えてみたいような件ではあるが、とりあえず巨泉は脇に置く。


関西空港に関してはやや残念な結果となったが、旅行自体の思い出はそれなりにある。一番印象深かったのは、台風の直後だったせいか飛行機を降りた途端空気がじっとりと暑くて、ピータンとマンゴーを一緒に嗅いだような濃い匂いがしていた事だ。なにやら癖のある、正直いい匂いと言い難いそれは眼鏡が曇るほどの湿度と相まって大変グラマラスなものに感じられた。景観に関しては割とすぐに見慣れてしまったので、滞在中の、今、知らないところに居るという実感はその匂いによってもたらされていた。


その香港の空港はどうだったかというと、これも夜に着いたせいか「なんか暗かった」程度にしか覚えていない。白夜でもない限り、おそらくどこに行ってもそうではないかと思う。
今思い出したが、関空で出国の際ベルトなど全部外していたのにも関わらず、金属探知機に引っかかって検査を受けた。首をひねっていると、友人に『しょうがないよね。君、電池で動いてるから』と気遣うような笑顔で言われた。
別にそう思いたいなら思っていてくれて構わない。しかし、なんとなく単1は勘弁していただきたい。根拠はないが、単3を4本くらいのイメージを希望する。人としてのスケール感を考慮するとそれくらいが妥当だろう。
むしろ、巨泉こそ単1ではないだろうか。これも根拠はない。実際の電池としての威力が単1と単3でどう違うのかも知らない。それでもやはり単1を推したい。もしもボタン電池だったりしたら、そもそも巨泉に対して思い入れがあったかどうだか疑問だが、どこかがっかりした気持ちになるのではという気がする。初めは何を書くつもりだったのか、結局巨泉の話になった。


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