よそみ余所見

余所見は、見たり聴いたりした事と、それについて考えた事などを書くウェブサイトと紙の雑誌です。

第1号(249版)
2017年10月19日 16時40分33秒 発行

連載記事 

掲載日:2011-06-17 19:51:08

【連載記事】梅の種(小田寛一郎)

梅の種 小田寛一郎

5月の終わりあたりから、齢30にして普通自動車免許を取得するべく自動車教習所に通っています。先日、仮免検定に合格し路上での教習をやっていて、今日は担当教官のおじさん曰く「特別コースです!」とのことで、教習所から15分くらいのところにあるなんとか岳(名前を忘れました)に行きました。山道を登って中腹あたりにある公園の入り口をすこし入ったところで止まってください、という指示があり、なにをするのかとおもいきや、助手席の前にある物入れからビニール袋を取り出して、種を取りに行きます、とのこと。公園の入り口には梅の木がたくさん生えていて、教官は梅を嬉しそうに集めていました。20個くらいで、このくらいかな、と戻ってきたので、何に使うんだろうか、梅酒でもないしな、と思い、帰りの車中で尋ねてみたところ、そこらで拾ってきた梅の実(種)を庭に埋めておいて、芽を出すのだそうです。芽が出るかどうかはまったく分からないらしく、たくさん埋めたからといって必ず出るわけでもなく、(梅にも)雄と雌があるのかもしれない、とのこと。いままでにそうやって芽を出した梅が8本くらいあり、20年くらい前に埋めて芽が出た梅に今年、3つくらい実がなったそうです。梅以外にも、きゅうりやなんかも種から植えたりしていて、苗を買ってくることはなく必ず種から植えるらしいです。奥さんからはビワは絶対に植えないで欲しいと言われていて、カラスなどの鳥が来て近所迷惑だから、とのこと。

梅を拾ってきて庭に埋めて芽が出るかどうか楽しみに待つ(そして芽が出たら育てる)、という趣味は、はじめて聞いたのですが、面白そうなので私もやってみたいと思います。なんというか、どこか釣りに似ているような気がしなくもないです。実(種)を埋めても必ず芽が出るとは限らない、というところと、海や川で釣竿をたれても必ず魚が釣れるとは限らないというところなんかが似ているような。必ず○○とは限らない、という偶然性が面白いのでしょうか。必ず○○とは限らない、という条件の下だと、結果的に○○になったときの喜びもひとしおだから面白いのかなと思いますが、これはスポーツ・ゲーム・ギャンブルなど、いろんなことに共通して言えることかもしれません。


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