よそみ余所見

余所見は、見たり聴いたりした事と、それについて考えた事などを書くウェブサイトと紙の雑誌です。

第1号(249版)
2017年10月19日 16時40分33秒 発行

行ってみよう! 

掲載日:2011-09-20 22:16:34

【行ってみよう!】連れ立ちストリップ(蛇谷りえ、中島彩、藤井菜摘)

誰かに連れて行ってもらって、今まで行った事のない場所や催しに行こうという試み。
いままで、コミック同人誌即売会、NSC道場、ストリップに行きました。

連れ立ちストリップ 蛇谷りえ、中島彩、藤井菜摘

初めてストリップというものを見に行きました。

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目的の劇場の最寄り駅は地下鉄の天神橋筋六丁目。
そこから近いとは聞いていたけれど、地上にでて見渡すと、[ナニワ ミュージック]の電飾看板を見つけることができた。
周辺にはコンビニや大きなビデオレンタルショップがあって、古めかしい電飾看板はあまり目立たない。

友人と落ち合って中へ入ると、踊り子さんのポスターや手書きの公演の案内、入場料の案内といろいろなものが壁に貼ってあり、植木やらなにやらいろいろな物が置かれており、気になったけれどなんだかじっくり見ることができなくて、入場料を手早く払って中へ入った。

劇場には奥のステージ、その中央からのびる花道、そしてその先にも丸いステージがあって、その花道と丸いステージを取り囲む形で座席がある。
私たちは友人、またその友人と誘いあっての10人の大所帯なのだが、奥のステージを向いて左側の花道沿いの席に隣り合って座る。
座席はどれも古くて、布が破けてスポンジが見えていたりする。
低めの椅子で座るとステージの床が目線くらい。

入ったときはちょうど「タッチショー」という、踊り子さんとの触れ合いタイムだった。
席に着くなり、踊り子さんに声をかけられ、順番に胸を触っていく。50代前半くらいに見える踊り子さんの胸は、形こそ重力に負けてきてはいるものの、しっとりとなめらかで、普段銭湯で見かける同年代らしい女性のものとは随分違う。
触りながら、踊り子さんから「どこから来たの?」「初めて?」と声をかけられたり、別のお客さんにはコミカルな喘ぎ声を聞かせたりと、触る人と触られる人、皮膚を接触させながらのコミュニケーションをとっているようだ。

「タッチショー」が終わると踊り子さんは一度舞台裏にさがり、衣装を替え、ポラロイドカメラを持って現れる。「ポラロイドタイム」というもので、一枚500円で踊り子さんを撮影することができる。これは踊り子さんを単独で撮影する人と、踊り子さんと一緒に写る人とがいた。私たちは後で別の踊り子さんと一緒に数人で旅行の記念写真の様な並びでとったのだが、踊り子さんのみを撮影する人は、「記念」とは別の意味で撮っているように見えた。

その後、「オープンショー」なるものがあり、これは踊り子さんがそれぞれのお客さんの前に行ってアソコをご開帳するというもので、よくよく思い返すと、女性である自分のものももちろん人のものもはっきりと見たことがなく、見たものに対してどうと思うことはないけれど、見ること自体が不思議な感じがあった。
自分のからだにも同じようなものがあるはずだけれど、見ることのないもの。うなじとか、耳とかは見ようと思っても肉眼で見れないが、アソコは見ようと思えば見れる、けれど見たことがない。そう考えると、自分のことは自分がわかっているようでそうでもないのかなと思う。

「オープンショー」が終わり、踊り子さんが交代となる。次は業界最高齢という70歳近い女性の番。今回の見学にあたって事前に噂を来ていた人だ。
元は全国を巡業する旅役者であったが、事故に遭い、経済的な事情からやむにやまれずストリップの世界にはいったという。
その経歴からか、最初は着物姿、大衆演劇のような化粧で、舞を見せる。着物を脱いではいくものの、ただ裸を見せるというだけではない、磨き込まれた芸という感じがした。

舞いながら衣を脱ぎ、裸を見せた後、一度引き下がり今度は「タッチショー」、「ポラロイドタイム」、そして「オープンショー」。
これでまた別の踊り子さんに交代する。

次は若い女性。先の二人と違って、踊りは未熟な感じだけれど、裸になって丸いステージに上がってからは、足が吊りそうな体勢や身体の柔軟性が必要そうなポーズは随分練習しているんだろうという感じだ。
その次の踊り子さんも若い女性。
若い人は身体が引き締まっていてラインが綺麗で、それを見せるだけでこと足りて、年をとるにつれて芸の熟練や客との会話や掛け合いなどで魅せているいるように見受けられる。
厳しい様でもあるが、いい年の取り方だなとも思えた。

ショーは、「ダンス」「タッチ」「ポラロイド」「オープン」そして交代という順で朝から夜まで何巡か公演し、私と一緒に見に行った女性の友人はあらかた一巡した後に劇場をでた。

見ていて、女性の裸を男性が見ていることに対し嫌悪感ははなかったけれど、女性客がいることで他の男性客が居心地の悪さを感じているのではと思うことがあったり、邪魔をしてはいけないように思ったりもした。
女性客に対しても踊り子さんは気さくに接してくれているけれども、私たちとの間柄と男性客とのそれとは異なるように感じる。踊り子さんと男性客の間に流れる空気は親密な男女関係のようにも、母と子の関係のようにも見えた。
「タッチショー」で触るオッパイは、赤子が慕う母親のオッパイでもあり、「オープンショー」でまじまじと対面するアソコは、赤子が生まれてくる場所でもある。
男性が金を払ってストリップに来るのは、もう戻ることのできない密接な母と子の関係を求めているのではと思えるのだ。
私たち女性はこれから「母」になる可能性があるから、それほど入り込めないのかもしれない。
もしストリップの踊り子が男性で、女性が客というならどうかという話を劇場をでた後に行った中華店でしたけれど、それは女性の踊り子と男性客という関係と対照の「父」と「子」の関係になるようには思えなかったし、たとえそうなるとしても「父」と「子」の関係は人が余暇に求めたいものではないのではないだろうか。

一緒に来た男性の友人たちを劇場に残してきて、女性だけで感想
言い合ったので、彼らの感想も聞いてみたいと思いつつ、その日は解散した。


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