よそみ余所見

余所見は、見たり聴いたりした事と、それについて考えた事などを書くウェブサイトと紙の雑誌です。

第1号(249版)
2017年10月19日 16時40分33秒 発行

行ってみよう! 

掲載日:2011-10-17 23:59:53

【行ってみよう!】女性向けコミック同人誌即売会に行った(終了後)(永田芳子)

誰かに連れて行ってもらって、今まで行った事のない場所や催しに行こうという試み。
いままで、コミック同人誌即売会、NSC道場、ストリップに行きました。

女性向けコミック同人誌即売会に行った(終了後) 永田芳子

朝6時頃インテックスに着いて、外周を囲む長い行列に並ぶ。入場ゲートが開くのは10時30分。することが無いので缶コーヒーを買ったり喫煙コーナーに行ったりして時間をつぶす。周りではパンフレットを見つつ効率のよいコースを計画しているグループや、三角座りで仮眠を取る人、スタッフの仕切りを評する古参らしき3人連れ、『ここのサークル、今日18禁で出すかもやってー。うちら買われへんやんー』とぼやきあう若い人など、色々。
売られている本はほとんどがBL、やおいと呼ばれる二次創作の漫画や小説。他には身近なことを描いたコミックエッセイ、いわゆる普通の小説や何かについての研究書なども置かれているが、割合は全体からすると少ない。雑貨、服飾雑貨、文具もある。
本を何冊か買ってベンチでぼんやりしていると余所見メンバーからメールが入った。11時40分。すでに完売したブースが撤収作業を始めている。


行ってみた感想をみんなで話す。もうだいぶ時間が経っているので詳しい内容は忘れたが、BL・やおいについての違和感や、それ以外の内容で参加しているサークルの傾向だとか、売り手と買い手の関係性、そんな話が主だったような覚えがある。たしかに初めてああいう創作物をまともに見るんじゃ違和感あるだろうな、と昔の事を思い出す。中学生のころに、同人界で人気のあるサークルのやおいパロディ漫画をアンソロジーに仕立てた単行本の出版ブームがあったのだ。クラスの子が貸してくれた。自ら買うほどハマりはしなかったが、借りた分はとりあえず全部読んだ。

ひょっとして、目にしてきた漫画がメンバーとずれてるんだろうか。生まれてから中学卒業まで住んでいた家の隣のおねえさんが、読み終わった雑誌を私にくれていた。なかよし、別冊フレンド、別冊少女コミック、mimi、ぶーけ、マーガレット。自分で買うようになってからは、りぼん、花とゆめがそこに加わった。雑誌としては特にマニアックなものでは無かったように思う(ぶーけ、花とゆめは毛色が違ったが)。学園ものや恋愛もの、SF、ホラー、いろんな設定のものが載っていて、そんな中に「ちょっと変わった設定」として主人公や脇役が同性愛者という漫画がちょいちょい混じっていた。女装男子のはしりの様なキャラもあったと思う。回し読みしていた子のなかには、『なんでこんなん載ってるのー、気持ち悪い!』という反応もあったが、その辺りは私にはどうでもよかった。たしかに自分の趣味とは違うけど、作者がその設定を選んで出来上がっているならもう仕方ないし、描かれたそれが結果おもしろい漫画だったなら別によかった。

何か手に取るときのやりくちがきっと雑なのだろう。「元ネタになるものがないと・元ネタがあると公言しないとありよう自体が困難」という感じに興味を持って、カバーアルバムやトリビュートをよく聞いていた。同じくらいの時期に、発生はネットなんだろうか、腐女子という名称がなんだか目に付くようになった。そういうものを描いている人達は昔から居たわけで、新しい名称がうまれた、という事に対してまた?そんなに?という感想を持っていた。じゃあ、パロディ同人誌を読んでみたら二兎が一兎にまとまるかな、というので読んでみた(結局まとまりゃしなかったが)。
嗜好としてそれなりに特化したジャンルなので、以前読んだことがあってもやはり違和感はあった。目が慣れると昔見たそれとの違いや、描かれた時期ごとの傾向、その世界でのマナーらしきもの、それぞれのポリシーなり事情なりが見えだして、おもしろい作品はおもしろいし、つまらない作品はつまらない。書き手の人と「萌え」を共有できていないので、失礼な読者かも知れないな、と思うこともあるけど。

そんな具合なので、余所見メンバーはいろいろ困っている様子に見えたけれど自分で描いているわけでもないし、ジャンルに関わらず同人誌を作っている知人もいないし、渦中の人達が何を考えてそれをしているのかと聞かれても、正直どう答えていいやら分からない。
まあ、とりあえず行ってみたいと思っていた場所へ行くきっかけの役は果たしたようだし、そこにあるのは単なる本なのだから、あとは、個々で。


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