よそみ余所見

余所見は、見たり聴いたりした事と、それについて考えた事などを書くウェブサイトと紙の雑誌です。

第1号(249版)
2017年10月19日 16時40分33秒 発行

連載記事 

掲載日:2014-04-18 23:48:11

【連載記事】島を移る。(中島彩)

島を移る。 中島彩

前回の記事にも書いた通り、いま、五島列島に来ている。
五島列島はその名の通り大きな5つの島と、その周辺の大小さまざまな140程の島々から成っている。
ひとくくりに五島列島と考えてしまいがちだが、それらの島々は個々に特有の風土や習俗があって、隣り合う島でも行ったことがないという住民も案外多いみたいだ。
五島列島を大きく2つに分けて上五島と下五島という呼び方もあるのだが、これらは行政区も違っていて、上五島は長崎県南松浦郡、下五島は長崎県五島市。

昨日まで私は下五島の福江島にいて、今日昼過ぎに上五島の中通島に移動してきた。
まだそれほど上五島を歩き回ってはいないのだけど、港周辺の集落だけでも雰囲気はなんだか違って。まず地形が違って、家の建て方が違う。石垣、瓦や壁の色、道。
でもまあ民宿の畳の部屋で荷物を広げ、コタツに入ってテレビで全国放送の番組なんかを見ていたら、ここがどこかなんてあまりわからなくなる。(受信できるチャンネルは4つしかないのだけど)

で、ぼんやりと過ごしていた、21時。
窓の外から、けっこう大きな音で、あるメロディが聞こえてきた。
「ねんねーん、ころーりーよ、おころーりーよー」

あの誰もが知っている子守唄である。
これ、なんていうのかしら。音楽時報?
都会では聞いたことはないけれど、地方へ旅行に行くとしばしば耳にする。朝7時とか、12時、17時みたいな区切りの時間に集落内のスピーカーから流れるアレである。

昨日までいた福江島では、朝の7時にエーデルワイスが流れていて、早起きして散歩の途中にそれを聞く、というのがこのところの日課だった。いつか山道を歩いている時にその時刻になり、山に反響し自分を取り囲んでいくつもの方向から聞こえてきた時は、なんだかすごく遠い、それこそアルプスくらいのところにトリップしてしまったような気分でおもしろかった。

今日は夜中に子守唄。スピーカーはあまり調子が良くないらしく、くぐもった音で、ちょっとおどろおどろしい雰囲気。
福江では夜の音楽時報はなかったし、エーデルワイスと子守唄を思い出してもらえればわかると思うけれど、だいぶ趣が違う。
ああ、昨日とは違うところにいるんだな、とその時とても強く感じた。

この音楽時報、たぶん地域ごとで流す時間も曲もだいぶ違って、その地域の特性をあらわしているんじゃないかと思うんだけど、だれか調べてまとめてくれていたりしないかなと検索してみたが、それらしきものが見つからない。もし、詳しい方おられたら、ぜひ教えて下さい。




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