よそみ余所見

余所見は、見たり聴いたりした事と、それについて考えた事などを書くウェブサイトと紙の雑誌です。

第1号(249版)
2017年10月19日 16時40分33秒 発行

連載記事 

掲載日:2014-11-30 22:31:59

【連載記事】集団集団ストーカーストーカー(山本握微)

集団集団ストーカーストーカー 山本握微

 会社を辞めたいので、代わりになる食い扶持についてよく考える。一度会社を辞めるとまともな収入にはありつけそうにないので、この際、詐欺師になっても良いので何かネタはないか探している。オレオレ詐欺も今から参入するには敷居が高そう……。そこで最近、思いついたのは「集団ストーカー」被害者と関わって金を巻き上げられないか、ということ。

 集団ストーカーとは何か。これについては検索すれば色々出てくる。僕なりに解説すれば「かつては狐、今は電波、最近は専ら集団ストーカー」。ある種の精神異常の「拠り所」として表象する得体の知れない黒幕として機能する概念。
 この「集団ストーカー」、独特な設定ながらもネットで流布される効果もあって、今やかなり広く共有されているようだ。時折、実際にストーカーによる殺人事件が発生し、社会問題となるのも彼らを裏付ける。多数、被害者の会もできて、相互に連絡しあっている。業界、界隈が出来ている。そこで専門用語も形成され、それが更に新たな妄想を固着していくのだろう。なかなか恐ろしい話。

 彼らに寄り添う形で接近し、その妄想を承認し、不安を取り除くようつとめれば、金を巻き上げられるかもしれない。これはうまいアイデアだククク、と調べて行くうちに、どうも既に同じことをやっている人がいるような感じ。あらゆる市場が荒らされてますねー。
 集団ストーカー解決専門のサイトもある。そのために独自ドメインをとった専門業者があるように見えるけれど、実体は探偵社の一部門のようだ(別に隠しているのではなく、どこそこ届出、れっきとした探偵社です、と信頼を得るための要因にもなっている)。その探偵社も、本業は復縁工作がメインらしくて(そして恐らく、主要な稼ぎは、工作そのものでなく、それに比べると安価なマニュアル本=情報商材)なかなか良い感じ。
 しかし実際、集団ストーカー被害者から依頼があったら、この人たちはどのように解決へ運ぶのだろう。被害妄想をどのように解決するのか。彼らは別途、精神科医的なスキルを保持していて、被害妄想を承認しつつ、依頼から解決、というフレームの中で巧みにカウンセリングを行い、妄想を沈めるのか。

 ……いや……もし僕なら……。実際に、集団ストーカーを「仕掛ける」。妄想ではなく、形として仕掛け、操作し……そして収めて、見事解決したようにする。これだろう。
 被害者心理として……「気のせい、でも気のせいじゃない」レベルより、よりはっきりした集団ストーカーの被害があれば、或る意味で嬉しいだろう。「気のせいじゃない、やっぱり本当だった」と。より補強された、実際の被害と、その解決。美しい構図だ。

 しかし、そう考えたら、そうした探偵社に限らず、ネットで散見される各種の被害報告や被害者の会など、既にそうした暗躍の結果かもしれない。被害妄想を金づるにするために、実際の被害として形を為す作業。
 あれ……だとしたら実際にあるじゃん! 集団ストーカー。夢だけどー、夢じゃなかった!

 これはこれは……ミイラ取りがミイラに、精神が題材らしいドグラマグラな展開となってきました。でもまあ、よくある陰謀論ですけど。セキュリティソフトの会社が裏でコンピューターウイルスをまくような。消防士が放火してまわるような。

 うーむ……まあ、しばらくは普通に働こうっと。


附記

 集団ストーカーの被害妄想は、統合失調症の類と考えられるので、冗談といはいえ、あまり嗤いものにするのはどうかと思われる。でも、業界としての集団ストーカーは、某宗教や、在日某人などに対する偏見を肯定することで形成されているようなので、あんまし同情はできない。そういうのやめてよね。被害妄想、それ自体にはお悔やみ申し上げます。

附記附記

 は! こんなことを書いていたら、集団ストーカーの黒幕が僕になってしまうのでは? まあ、偏見よりそっちの方がいいかも。そう、僕が皆様に集団ストーキングをけしかけています。カルトナンバーの車を執拗に配し、子供の笑い声を街にふりまき、布団を執拗に叩いて干し、すぐそばで携帯を使って思考盗聴しています。そうすることで最終的にはお金を巻き上げようと思っていたのだけれど……。難しそうなのでやめます。


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