よそみ余所見

余所見は、見たり聴いたりした事と、それについて考えた事などを書くウェブサイトと紙の雑誌です。

第1号(249版)
2017年10月19日 16時40分33秒 発行

連載記事 

掲載日:2016-08-14 01:40:35

【連載記事】猫猫にゃんにゃんにゃん(山本握微)

猫猫にゃんにゃんにゃん 山本握微

 終電での帰り道。私鉄から地下鉄への乗り換えに約20分ほど時間があったので、大阪市内の、と或る下町を散歩することにした。
 夜なので駅前商店街の店は閉まって誰もいない。昼になっても幾つの店が開くのかもよくわからない。この辺は初めてだけど、思った通りの古びた下町だった。
 猫が多い。活発に商店街を動き回っている。それ自体は珍しくない。うちの近所の商店街にも沢山猫がいる。けれど明らかに、ここにはそれより多くの猫がいる。「餌をやらないで、通報します」の貼紙も見かける。が、近所の商店街とここでは、猫を忌避する人と猫に餌を与えたい人の割合が少し違うのだろう。ここでは比較的、猫が求められている。察するに、猫に餌をやることで孤独を癒す、高齢者が多い。必然と猫の数にも反映される。
 そう思うと、目前を行き交う猫が、役割を持った一種の機械的な装置のように思えた。街をくまなく巡回するよう放たれた、寂しさを吸い込むルンバ(と言いたかっただけ)。


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