よそみ余所見

余所見は、見たり聴いたりした事と、それについて考えた事などを書くウェブサイトと紙の雑誌です。

第1号(249版)
2017年10月19日 16時40分33秒 発行

連載記事 

掲載日:2017-02-12 02:11:27

【連載記事】のりこし(山本握微)

のりこし 山本握微

 先ずは末尾に記載した写真を御覧下さい。これは大阪駅の改札付近にある「のりこし精算機」です。堂々とした「のりこし精算機」の青い看板が目立ちます。さすが日曜日の夕方ともあって、行列が出来ていますが、充実の2台体制。勿論、駅改札口は他にも複数あり、当然、のりこし精算機はこれ以外も多数あります。
 いや素晴らしい。駅によってはのりこし精算機の位置が微妙で、わかりにくかったりする。改札の直前まで来て、のりこし精算機何処!ってなって、そっちかいやと、わざわざ引き返せねばならなかったり。そういう時は、もっと目立つ看板でも置いて! と思う。のりこし精算機、とても大切なんだから。
 そういえば、ちょっと前から、ICカードで10円単位でチャージができるようになり、のりこし精算がスムーズになった(のりこし精算というより、のりこした分だけチャージですが)。ソフトウェアも進化している。以前は、折角ICカードで乗っているのに、乗り越したら、別途、出場のためだけの精算券が発行されたりしたのだった。余計なゴミは出ないし、素晴らしい。
 この看板を見て思ったんだけど、のりこし精算機のこと英語で「Fare Adjustment」と言うのか。ふーん。アドジャストメント……きっちりする、って感じか? 海外に行った時のために覚えておこうっと。

 ふむ。

 ……あれ?

 小さい頃、のりこし精算機の意味がわからなかった。
 いや、意味はすぐわかった。
「あれは何?」「のりこし精算機」「なにそれ」「のりこした時に精算する機械」「のりこし?」「買った切符よりも、乗り越した時に差額を払うの」「……何で、最初から切符を買わないの」
 そりゃ確かに、そういうことあるかもしれない。乗っている途中で気が変わって、もっと遠くへ行こうとしたり。うっかり乗り過ごして、まあいいか、ここで降りる、となった場合。
 でも何で、そういうイレギュラーな事態のために、そんな大層な機械が用意されているのか。わからない。しかも、かなり重要なものとして、目立つ位置に設置され、大きく案内されている。そして多くの人が、実際にのりこし精算機を利用する。

 勿論、今はわかる。のりこし精算機の、意味や機能だけでなく、その位置付けと、運用の実際。と言うか、僕は毎回といっていいほどのりこし精算機を利用する。券売機より利用する。
 のりこし精算機についてはわかった。しかし、世の中には「こういうこと」が結構ある。本質から、ズレているようで、実際的には重要なことが。券売機が重要なのはわかるけど、のりこし精算機が重要ってのは……。それについて、何故そこが重要なの、と問うても、そっち側の人にとっては当たり前過ぎて、疑問に思うこと自体が想定されない。「いや、のりこししたら精算が必要でしょ?」と。

 そういう事態に直面した時、いつも咄嗟に例えが出ずにいるので、今日ふと、のりこし精算しながら思い出し、メモする次第。つまり、時に概念が「のりこし精算」を必要とするわけだ。

威風堂々、アクセシビリティに優れた大阪駅の「のりこし精算機」


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