よそみ余所見

余所見は、見たり聴いたりした事と、それについて考えた事などを書くウェブサイトと紙の雑誌です。

第1号(249版)
2017年10月19日 16時40分33秒 発行

定点観測メモ/梅田哲也 

掲載日:2010-08-04 18:17:28

【定点観測メモ/梅田哲也】ARTZONE(ひろゆりか)

定点観測メモは、ある期間のあいだ、あるひとつの人やできごとを追って、そこで起こるできごとについて定点観測的に考える企画です。
ここに集まったテキストやその他の記録は、観測期間の終了後に再編集を行い、まとめられる予定です。
定点観測メモ第一回は、2010年7月1日から12月31日にかけて、梅田哲也さんを観察しました。

ARTZONE ひろゆりか

7月26日月曜日。盆地らしい蒸し暑さの京都、三条河原町のスペースART ZONE。

春にここで梅田哲也さんの個展が開かれる、そしてその打ち合わせがある、と聞いてお邪魔させていただいた。歩いて5分もしない場所には、6月に個展をされていたラボラトリというスペースもある。この三条河原町というスペースは、あちこちに隙間があり、あらゆる店が軒を連ね、混沌を生み出している。

私は今まで梅田さんの展示は何度か見たことがあった。でも残念なことに、まだライブは見たことがない。だから、本人にお会いするのはこの日が初めてだった。どんな人だろうか、と思っていたら、とても自然体な雰囲気の人がふらっと現れた。彼が梅田哲也さんだった。

打ち合わせは終始和やかにすすむ。
折しも、京都造形大の学生らによる展示の最中。脚立を出して、手探りで空間を探し始める。私は彼の展示を見るたびに、彼がどんな風にして空間を見つけるのか非常に気になっていた。ARTZONEの中の使っていない物置スペースなどを見せてもらい、しばらくしてから、建物のモルタルと展示用の壁の間に、ある隙間を見つけた。ARTZONEの人も知らなかった場所のようだ。子どもなら登ってそこに寝ることができるぐらいの小さな隙間。ちょっとした秘密基地のような隙間。ここに、作品を設置することに決めたようだ。

おそらく彼にとって壁や天井の梁なんてものは単なる建物の付属物でしかないのだろう。本来建物の構造体である部分と、その付属物(壁)の間の隙間を見つけるのがとても上手い。人が使いにくいから、と裏方にまわしたり、物置にしている部分をあっさりとさらけ出す。

4月の個展に向けて、少しずつひっそりと展開されていくこの隙間な隅っこ展示。告知も隅っこでこっそりと。 近日開催の建築学科の学生の展示の際にももちろんあるらしい。その際には、建物の外をつくる人、中を探る人、両方見ることができる。


隙間だらけの三条河原町の隙間のアートスペースの隅っこで、これから半年ほどの間、なんだかすごいことが起こりそうである。


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