梅田哲也さんのおうち 登久希子 わたしが関わっていた某所の展覧会に梅田さんが参加されたときのこと。ある日、工具とか木の枝とか、よく分からないものが現れたり消えたりするようになる。なんだこの缶は。なんだこのハンダは。そう思ってるうちに、梅田さんの作品は仕上がっていた。まるで「こびとのくつや」みたい。 そんな梅田さんがどんなところに住んでいるのか、いまいち想像がつかなかったけれど、おうちにお邪魔して(想像できなかったくせに、想像どおりというか)、妙に納得してしまった。片隅にあった、昔懐かしい小型の扇風機なんて、作品の一部みたいに見えてしまう。 梅田さんは、おうちに帰ったらぱちんとオフ・モードになるらしい。 梅田さんは、夏になると桃をハコ買いするらしい。 梅田さんは、調味料にけっこうこだわりがあるようだ。 近所でもうすぐ夏祭りがあるらしく、商店街には提灯がいっぱい。梅田さん的には、駅前の辺りは「東京っぽい」とのこと。いっしょに行った某氏は「高松っぽい?」と言っていた。たこ焼き屋が多いわりには大阪っぽくない一画。 なんだかそういう、ここどこだろう、という雰囲気は、梅田さんにぴったりな気がするのでした。