よそみ余所見

余所見は、見たり聴いたりした事と、それについて考えた事などを書くウェブサイトと紙の雑誌です。

第1号(249版)
2017年10月19日 16時40分33秒 発行

連載記事 

掲載日:2010-09-15 17:53:33

【連載記事】映画「the COVE」を観た。(蛇谷りえ)

映画「the COVE」を観た。 蛇谷りえ

大阪九条にあるシネヌーヴォにて、「the COVE」を観る。
9月26日まで上映されているので、機会があれば是非。水曜日はレディースデイなのでラッキー。あらすじはざっくりしたままに私の感想として書き残す。

和歌山県の太地町でイルカ漁業が盛んで、くじら博物館などもあるほどくじら漁業も当たり前。そんな中、イルカを愛する人たちが「事実」を知るために乗り込む。まるで映画のようにドラマティックに。

イルカやくじらを観光として開かれている町なのに、ある特定のエリアには立ち入り禁止、撮影禁止の看板があること。太地町のイルカが全国、世界中の水族館などで売買されていること、日本人の一部の人がイルカを食べていること(そのことをほとんどの人が知らないこと。)など、イルカにまつわる「事実」が海外の学者、日本の水産省などの調査によって出てくる。

国際捕鯨委員会では、イルカは範囲外として規制されていないこと。クジラも調査を理由に捕まえてもいいことになっていること。いろんな事実。

立ち入り禁止のエリアに乗り込む際に、地元の漁業のおっちゃんたちがビデオカメラを片手に抵抗する。片言の英語と感情まじりの方言。それでも忍び込んで撮影に成功し真実を目の当たりにする。イルカを槍で殺すシーン。アメリカ映画のへなちょこな悪役のように映り込む日本人。日本人のおっちゃんたちの声はその映像に拾われることなく、一方的に悪い事実として見せつけられる。

おっちゃんたちのやってる行為は、おっちゃんたちの考えだけでもなく、日本だけの考えだけでもないもっと大きなサイクル、資本主義だとか、歴史とかそういった背景が問題なはずなのに、事実だけが問題化させてる。偏見。あまりもの偏見さに少し笑ってしまう。

映像ってほんとすごい。編集次第で攻撃できる。こっちサイドの映画ができたら是非観てみたい。
この映画のwebサイトには賛否両論なコメント集があって、その中で「なぜ、イルカの言葉が理解できる制作チームが、同じ人間のしゃべる言語を理解しようとしないのか?戦争はなくならないなと、永遠の絶望の崖っぷちにたたされました。」
http://thecove-2010.com/より一部抜粋)

というのは、ほんとにそうで対話しようとも、理解しようともしない態度は怖かったです。
でも、こういう映像メディアは日本だけでなく、対象が中国だったり、朝鮮だったり、そのほかの国だったりするときもあるわけで、冷静に情報を捉えないとな、と考えさせられました。

また、イルカ漁業については機会があったら話を聞いてみたい。イルカ漁業に関わってる人はもちろん認識しているだろうし、いまのところ関わってない私はそれをどう捉えるだろうか。話はそれからになりそうです。


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