よそみ余所見

余所見は、見たり聴いたりした事と、それについて考えた事などを書くウェブサイトと紙の雑誌です。

第1号(249版)
2017年10月19日 16時40分33秒 発行

定点観測メモ/梅田哲也 

掲載日:2010-11-03 04:35:39

【定点観測メモ/梅田哲也】ARTZONE 設置準備 8月(米子匡司)

定点観測メモは、ある期間のあいだ、あるひとつの人やできごとを追って、そこで起こるできごとについて定点観測的に考える企画です。
ここに集まったテキストやその他の記録は、観測期間の終了後に再編集を行い、まとめられる予定です。
定点観測メモ第一回は、2010年7月1日から12月31日にかけて、梅田哲也さんを観察しました。

ARTZONE 設置準備 8月 米子匡司

20時ARTZONE。
会期未定の個展に向けた、デッドスペースを利用した展示の企画。

展示会場は四面に白い壁のあるギャラリーで、元来の構造に後から壁を付けているために、いくつかの壁の後ろにはデッドスペースがある。
入り口すぐには、試着室ほど大きさの小部屋がある。以前この場所は無印良品の店舗で、そこは実際に試着室だったそうだ。

彼はまず、その試着室にオブジェクトを設置しようとしている。ほかにもいくつかのポイントは、下見の時に目をつけてあった。
幅の計算が違っていたそうで、棒が長くて入れにくい。
忘れたワイヤーの代わりを、天井から見つけ出して使う。ともかくあまり手を止めない。人が見ているからかもしれないけれど。

夜遅く、買い出しに出た。
ミニストップの前で「ハロハロがあるよ、コーラだよ」と、コーラのフローズンにソフトクリームとドンパッチが入った食べ物を買って食べている。
「少し眠くなってきた」と言うので、何か楽しい話をしようと促すと「もうすぐベストキッドが公開されるね」と言った。よく映画の話をする人だ。
共通の知人の話から、サウンドアートについて少し話す。知らないことをいくつか聞いた。

ギャラリーのスタッフは隣の部屋で眠っている。

彼はどうもバランスのいい人で、バランスが良いというのは特筆すべき特性だと考えさせられる。
軸足がなくてバランスだけ取ろうとしてもうまくいかない。先に軸足は定めていて、他にも気を配ろうとしているように思える。そこまでならきっと、特筆すべき事ではなくて、誰でもそう行動するしかないのかと思うけれど、彼にはまだもう少し気が利いているところがある。

彼がある人物の事を評して「あの人は他の人の事に興味がないんじゃないか」みたいなことを言っていたことがある。たしかに彼自身はそうじゃない。没頭していても他の事に興味を持っているし、そうでないとできない事をやっている。
なんというか、外に対して内向きなアプローチをしているような印象を持った。おそらく、そのためには外側を理解しようとする必要がある。

朝、電車が動くまで作業して、京橋で別れた。












余所見