ARTZONE 設置準備 8月 米子匡司 20時ARTZONE。 会期未定の個展に向けた、デッドスペースを利用した展示の企画。 展示会場は四面に白い壁のあるギャラリーで、元来の構造に後から壁を付けているために、いくつかの壁の後ろにはデッドスペースがある。 入り口すぐには、試着室ほど大きさの小部屋がある。以前この場所は無印良品の店舗で、そこは実際に試着室だったそうだ。 彼はまず、その試着室にオブジェクトを設置しようとしている。ほかにもいくつかのポイントは、下見の時に目をつけてあった。 幅の計算が違っていたそうで、棒が長くて入れにくい。 忘れたワイヤーの代わりを、天井から見つけ出して使う。ともかくあまり手を止めない。人が見ているからかもしれないけれど。 夜遅く、買い出しに出た。 ミニストップの前で「ハロハロがあるよ、コーラだよ」と、コーラのフローズンにソフトクリームとドンパッチが入った食べ物を買って食べている。 「少し眠くなってきた」と言うので、何か楽しい話をしようと促すと「もうすぐベストキッドが公開されるね」と言った。よく映画の話をする人だ。 共通の知人の話から、サウンドアートについて少し話す。知らないことをいくつか聞いた。 ギャラリーのスタッフは隣の部屋で眠っている。 彼はどうもバランスのいい人で、バランスが良いというのは特筆すべき特性だと考えさせられる。 軸足がなくてバランスだけ取ろうとしてもうまくいかない。先に軸足は定めていて、他にも気を配ろうとしているように思える。そこまでならきっと、特筆すべき事ではなくて、誰でもそう行動するしかないのかと思うけれど、彼にはまだもう少し気が利いているところがある。 彼がある人物の事を評して「あの人は他の人の事に興味がないんじゃないか」みたいなことを言っていたことがある。たしかに彼自身はそうじゃない。没頭していても他の事に興味を持っているし、そうでないとできない事をやっている。 なんというか、外に対して内向きなアプローチをしているような印象を持った。おそらく、そのためには外側を理解しようとする必要がある。 朝、電車が動くまで作業して、京橋で別れた。